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完全版 Claude Mods 入門 | Claude Codeを自由にカスタマイズする

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noguです。

2026年10月1日、Claude CodeのClaude Modsが正式に発表されました。

これは、TypeScriptの関数を用いて、Claude Codeの機能や見た目を自由かつ安全にカスタマイズできる拡張機能の仕組みです。個人的に、この機能はかなり将来性の高い機能だと感じています。

本記事では、Claude Modsの機能について深掘りするとともに、どのように活用していくことができるのかまとめていきます。

これからModを始める方が、仕組みを理解し、自分で作って配れるようになるまでを、1本にまとめました。

対象読者

この記事でわかること

Claude Modsとは

Claude Mods(以下、Mod)とは、Claude Codeの機能や見た目をカスタマイズできる、プラグインの仕組みです。

特徴として、CLIだけではなく、デスクトップアプリのカスタマイズもすることが可能です。

これまでもClaude Codeには「Hooks」という拡張の仕組みがあり、ツール実行の前後などのタイミングで、自分で用意したコマンドを実行できました。Modはその発展形です。

コマンドではなくTypeScriptの関数として書き、Claude Code本体に直接組み込みます。そのため、コマンドを叩くだけでは届かなかった画面表示の変更やツールの追加まで、踏み込んで手を加えられます(この仕組み自体は「Function Hooks」と呼ばれていて、詳しくは次章で説明します)。

example-mod/
├── .claude-plugin/
│   ├── plugin.json      # プラグインのメタ情報
│   └── types/           # Claude Codeが自動で書き出す型定義
├── hooks/
│   ├── hooks.json       # どのモジュールをフックとして使うか宣言
│   └── register.ts または register.tsx      # register(on, options) の実体
├── types/
│   └── index.d.ts       # 自分のModが持つ状態の型($.stateを使う場合)
└── tests/
    └── example.test.ts  # claude plugin test で動かすテスト

Modは、外付けの拡張機能ではありません。Claude Code自身に標準搭載されている/diffコマンドやテレメトリ機能も、Modとして実装されています。さらに、Claude Code 2.1.277で追加されたAGENTS.mdのサポートも、agents-mdというModとして提供されています。つまり、Claude Modsは、Claude Codeの標準機能自体を拡張できるということです。

公式のmodsフォルダには、現時点で4つのModが用意されています。興味がある方はこちらをご覧ください。

Modを使うための準備

Modは、Claude Code 2.1.287以降で使えます。最初から有効なので、特別な設定は要りません。

まず、バージョンを確認します。古い場合はclaude updateで更新します。

claude --version

Modを試すときは、--plugin-dirでModのフォルダを指定して起動します。インストールせずに、そのセッションだけで試せます。

claude --plugin-dir ./my-mod

Modのエントリポイントは、hooks/hooks.jsonのmodulesで指定します。

{
  "modules": ["./register.ts"]
}hooks/hooks.json

保存すると実行中のセッションにホットリロードされるため、Claude自身にModを書かせながら試すこともできます。

Function Hooksとは

前章でも説明した通り、Function Hooks(関数フック)とは、Modの基盤となるClaude Codeのハーネス(プログラム)自体を差し替えるようなフックです。

「Function Hooks」は、設計の提案(Issue #91870)や型定義のコメントで使われている呼び名です。公式ブログは、同じものを「mods」と「hook」で説明しています。本記事では、Modを支える仕組みを指すときにFunction Hooksと呼びます。

従来のhooksは、対象イベントが起きるたびにClaude Codeが外部プロセスを起動し、標準入力にイベントのJSONを渡します。それを、標準出力やexit codeで許可・拒否・加工結果を受け取る仕組みでした。

プロセスをまたぐため、やり取りできるのはテキストの入出力と可否判定までです。

sequenceDiagram
    participant CC as Claude Code
    participant Proc as 外部プロセス(hookコマンド)

    Note over CC,Proc: 従来のhooks(PreToolUse / PostToolUseなど)
    CC->>Proc: イベント発生のたびにexecで起動
    CC->>Proc: stdin: イベントのJSON
    Proc-->>CC: stdout / exit code: 許可・拒否・加工結果
    Note over Proc: プロセス終了(毎回使い捨て)

一方、Function Hooksは、TypeScriptの関数としてClaude Codeを動作させるエンジンプロセスに直接ロードされます。

register(on, options)という関数の中で、on(イベント名, ハンドラ)という形でイベントごとの処理を登録します。

ハンドラは($, e, next)という3つの引数を受け取る関数で、$がエンジンの操作窓口、eがそのイベントの入力データ、nextが次のハンドラへ処理を渡す関数です。プロセスを挟まず同じメモリ空間で呼ばれるので、$を通じて画面描画・状態管理・ツール登録まで直接コントロールすることができます。

この(e, next)という形($はエンジン固有のユーティリティだと考えてください)は、Express、Koaのミドルウェアパターンそのものです。next()を呼べば次のハンドラに処理を委ね、呼ばなければそこで処理を止められます。

sequenceDiagram
    participant Engine as Claude Codeエンジン
    participant Mod as Mod(register内のハンドラ)

    Note over Engine,Mod: Function Hooks
    Engine->>Mod: イベント発火 → ハンドラ呼び出し($, e, next)
    Mod->>Mod: 画面描画・状態管理・ツール登録などを直接実行
    Mod->>Engine: next(e) で次のハンドラへ委譲
    Engine-->>Engine: チェーンの最後まで到達

両者を図にすると、違いは「プロセスをまたぐかどうか」に集約されます。

Claude Modsの基本形

register(on, options) と ($, e, next)

前章で記載の通り、Modの核となるのは、次のコードです。

export function register(on) {
  on("イベント名", { /* マッチャー(省略可) */ }, async ($, e, next) => {
    /* ここに処理を書く */
  })
}

registerの中でonを呼び、「どのイベントに」「どんな処理をつなぐか」を登録します。第2引数のマッチャーは、イベントの絞り込み条件です。たとえば{ tool: "Bash" }と書けば、Bashのtool.callだけを拾えます。マッチャーは省略できます。

onに渡すハンドラは、常に次の3つの引数を受け取ります。

引数役割
$エンジンとの唯一の接続窓口。画面描画・モデル・ストレージ・タイマー・ツール登録など、外の世界に触れる手段はすべて$経由。$のメソッドは、それ自体がイベントでもある
eそのイベントの入力データ。フラットな値で、凍結されている。書き換えるときは、コピーをnextに渡す。idは固定(pinned)で書き換えられない
next次の処理へ進む関数

Modが外の世界に触れる手段は、$だけです。そのため、Modが何をするのかは、読み込む前にclaude plugin validateで一覧できます。

Modはサンドボックス化されていません(公式も「Mods aren't sandboxed」と明記しています)。$を通せば、ファイルもコマンドもネットワークも、あなたと同じ権限で扱えます。公式ガイドも「ModはClaude Codeと同じアクセス権で動くコードで、書いたのはAnthropicではなく公開者」と注意しています。信頼できる提供元のModだけを入れ、導入前にリポジトリを確認しましょう。

具体例として、基本形のすべてが入ったフックを見てみましょう。tool.callでrm -rf /を拒否し、入力を書き換え、実行後に通知を出します。

export function register(on) {
  on("tool.call", { tool: "Bash" }, async ($, e, next) => {
    if (e.command.includes("rm -rf /")) return { deny: "no" }
    const r = await next({ ...e, command: e.command.trim() }) // 下りで入力を書き換え
    $.ui.toast("Bash ran")                                    // 上りで結果を観測
    return r
  })
  .catch(($, e, next) =>                                      // 例外 or タイムアウト時
    next.called ? next(e) : { deny: next.error.kind })
}

すべてのイベント、APIリファレンスは末尾のAppendixに記載しています。

next() はミドルウェア

next()は、呼ぶタイミングと戻り値の扱い方次第で、「前処理」「後処理」「早期リターン」のどれにでもなることができます。

早期リターン

先ほどのrm -rf /の例のように、next(e)を呼ばずにreturnすれば、そこで処理チェーンは止まります。coreの代わりに自分が答える形になり、tool.callなら{ deny }か、独自の結果を返せます。危険な操作の遮断や、権限のない操作の拒否に使うパターンです。

後処理

on("tool.call", async ($, e, next) => {
  const start = Date.now();
  const r = await next(e); // 先に後続のハンドラ→core(実際のツール実行)を走らせる
  $.ui.log(`${e.tool}: ${Date.now() - start}ms`); // 実行後に、トランスクリプトへ1行出す
  return r;
});

next(e)の結果を先に受け取ってから、計測やログ出力などの後処理を差し込めます。Koaの「オニオンモデル」と同じ発想です。

結果を書き換えて返す

on("tool.call", { tool: "Read" }, async ($, e, next) => {
  const r = await next(e);
  if (r.deny || r.isError || r.result.type !== "text") return r;
  const content = r.result.file.content.replace(
    /sk-[a-zA-Z0-9]+/g,
    "[REDACTED]"
  );
  return { result: { ...r.result, file: { ...r.result.file, content } } };
});

後続の処理が返した結果をそのまま返さず、加工してから返すこともできます。ここではReadツールの出力に混じったAPIキーらしき文字列をマスクしています。

書き換えるのはresultです。next(e)の戻り値にはtextもありますが、これは「モデルが読んだ文字列」の控えです。{ ...r, text: ... }のように差し替えても、モデルに届く内容は変わりません。

3つのパターンの違いは、動かしてみると分かりやすいです。パターンとツール呼び出しを切り替えて、「▶ 実行」を押してみてください。

next のその他の機能

nextには、呼び出す以外にも、次のような機能があります。

式説明
next(e)自分より内側の全フック→coreを実行し、結果を返す
nextを呼ばずにreturncoreの代わりに自分で答える。tool.callなら{ deny }、または独自の結果
next.traceawait後に参照する。内側の各リンクのplugin / tier / e / result / outcome
next.origin呼び出し元の{ plugin, tier }。エンジンが投げた場合は{ plugin: "engine", tier: "core" }
next.eventglobや*のフック内で、実際にディスパッチされたイベント名
next.is("tool.*", e)型述語。e(と結果)を、マッチするイベントに絞り込む
next.to(e, "append")組織のMod限定(prependPlugins / appendPlugins)。間の層を飛ばして、より内側のtier(append / builtin / core)で継続する
next(e); next(e)0回以上呼べる。呼ぶたびに、内側で新しいディスパッチが発生する
next.error / next.called.catch内で使う。{ kind, message, budget }と、すでにディスパッチしたかどうか。next(e)で再実行できる
next.signalAbortSignal。ユーザーが中断した、または自分の持ち時間が尽きたことを検知する
next.budget自分の持ち時間。next.budget.remainingMsで残りを読める

.catchは、ハンドラが例外を投げたり、10秒を超えたときのための宣言です。宣言していなければ、そのハンドラは1行の薄い表示とともにスキップされます。宣言していれば、猶予予算の中で、nextと同等の権限で代わりに答えられます。

スキップされたハンドラは「いなかった」扱いになり、処理はそのまま内側へ進みます。危険なコマンドを止めるためのハンドラは、.catchで{ deny }を返すようにしておかないと、失敗したときにコマンドが通ってしまいます。

10秒は、ハンドラ自身のコードが動いた時間だけを数えます。next(e)や$の呼び出しを待つ時間は含みません。1分かかる$.model.completeを呼んでも、持ち時間は減りません。例外は$.clock.sleepで、この待ち時間は数えられます。自分で作ったPromiseを待つ時間も同じです。.catchの猶予は1秒です。

5層のチェーン構造と権限

Function Hooksは、1つのイベントに複数のModが同時にフックしても安全に積み重なるよう、次の5層のチェーンとして実行されます。coreに近づくほど権威は弱くなります。

階層内容
prepend組織ポリシー
user自分がインストールしたもの
append組織ポリシー
builtinバイナリ同梱
coreエンジン本体

1つのイベントは、この5層を貫通する1本の「fold」(関数型用語のinject/reduceに由来する、元提案者の表現)として流れます。

組織はこのチェーンの両端、つまりprependとappendを押さえています。真ん中にいるuser(自分がインストールしたMod)は、この2つに挟まれる形です。

たとえばuserのModがあるツール呼び出しをそのまま通しても、その内側のappendにいる組織のModが、coreに届く前に拒否できます。逆にprependの組織ポリシーが先に拒否すれば、そもそもuserのModにはイベントが届きません。個人のModが組織のルールを一方的に上書きできないよう、両側を組織で挟んでいるわけです。

組織のModは、next.toでuserの層を飛ばすこともできます。

on("*", ($, e, next) => next.to(e, "append"));

prependに置いたこの1行は、「すべてのイベント(*)を、userの層を飛ばしてappendへ渡す」という意味です。next.toを呼べるのは、prependPluginsかappendPluginsに並べた組織のModだけです。個人のModが、組織の層を飛ばすことはできません。

具体例として、Claude Codeが公式に提供するsec-defaultは、このnext.to(e, "append")を使って組織の持ち物を守る、防御用のModです。Claude Codeに同梱されています。

managedな端末、またはTeam/Enterpriseプランの場合、sec-defaultは自動的に最も外側のprependに座ります。その結果、個人がインストールしたプラグインからは、次のものに触れられなくなります。

なお、組織がprependPluginsという設定を使えば、prependという枠自体を組織側で管理できるため、sec-defaultをそこに含めるかどうかも組織が選べます。

順序は入れ子構造になっている

チェーンの順序は、関数の入れ子として書けます。

X = A · B · C · core = A(B(C(core(⊥))))

Aが最も外側で、coreが最も内側です。next(e)は「自分より内側をすべて実行する」呼び出しなので、外側のフックほど、下りでは最初にeを見て、上りでは最後に結果を見ます。つまり、位置がそのまま権威になります。

同じイベントに複数のModがフックした場合は、読み込まれた順に並びます。先に読み込まれたModが、イベントを最初に見て、結果を最後に見ます。

チートシートでは、この構造を3つの視点で描いています。

誰でも名詞を追加できる

engine.createは、$そのものを組み立てるイベントです。ここに戻り値を足せば、$に新しい名詞を増やせます。

on("engine.create", async ($, e, next) => ({
  ...(await next(e)),
  audit: { record },
}));

$にauditという名詞を追加する例です。公式のtelemetryModが$.telemetry(log、mark)を追加しているのも、同じ仕組みです。

ルール一覧(Rules of the Road)

Function Hooksの挙動を支えているのが、次のルール群です。

ルール内容
spelling(綴り)$は必ず$.noun.verb(...)という形でリテラルに書く。on("event")のイベント名も同様。ローダーが静的に列挙するため、動的に組み立てた名前は認識されない
identity(識別子)e上の一部のid(tool、tool_use_id、agentIdなど)は固定(pinned)で書き換え不可。それ以外のペイロードは自由に書き換えてよい
failure(失敗)ハンドラがthrowするか10秒を超えると、そのハンドラだけがスキップされる。.catchを宣言していれば、猶予予算の中でnextと同等の権限で代わりに答えられる。返り値の型が不正な場合も同様にスキップされる
recursion(再帰)ハンドラは、自分自身が引き起こしたディスパッチ(自分の$呼び出し、自分のnext、自分が起動したサブエージェント)を見ない。兄弟ハンドラや他プラグインからは見える
trust(信頼)プラグインは、プロセスと同じ到達範囲を持つ信頼済みコードとして扱われる。組織はplugin.registerにフックして、各プラグインが宣言するusesを確認し導入を拒否できる
classic(従来hooks)従来のsettingsフックはすべてclassic.<Event>として1:1でラップされ、JSONの入出力もそのまま引き継がれる
orgs(組織)managedな端末、またはTeam/Enterpriseプランでは、sec-defaultが最外殻に座るため、個人のプラグインはclassic hooks・プロンプトのセクション・設定の読み取り・組織提供ツールの説明文に触れられない。prependPluginsを設定した組織はそのtierを所有し、sec-default@builtinをそこに列挙するかどうかを選べる
globs(グロブ)on("tool.*")、on("classic.*")、on("*")のようにワイルドカードで複数イベントをまとめて拾える。eはマッチする複数イベントの和集合型になる
agents(サブエージェント)サブエージェント内のtool.callはagentIdを持つ。$.agent.list()で、name / parentId / typeに解決できる。Origin(どのプラグインか)とagent(どのループか)は別の軸
loading(読み込み)plugin.json + hooks/hooks.json({ "modules": ["./hooks.js"] })で読み込まれる。claude --plugin-dir ./my-modは保存時にホットリロードされ、Claude自身にModを書かせることもできる

ユースケース

Modで何ができるのかは、実在するModを見るのがいちばん早いです。ここでは、公式が提供しているModと、コミュニティが作ったModを紹介します。

diff:セッションの変更をパネルに表示する

diffは、/diffコマンドの実体です。

セッション中の未コミットの変更を、トランスクリプトの横のパネルに、ファイルごと・変更箇所(hunk)ごとに表示します。Claudeがファイルを編集したりコマンドを実行するたびに、表示も自動で更新されます。

diff

比較の基準も切り替えられます(HEADとの差分、セッション開始時のスナップショット、デフォルトブランチとのmerge-base)。

コマンドを1つ足すだけでなく、画面の一部をModが描いている点がポイントです。従来のhooksでは、ここまで踏み込めませんでした。

/diffはModなので、/pluginからオフにしたり、自分で書いた版に差し替えたりできます。Anthropicは、ほかの標準機能も順にModへ移す計画です。Claude Codeを小さな核まで削り、必要なものだけ足し直す使い方ができるようになります。

agents-md:AGENTS.mdをプロジェクト指示として読む

agents-mdは、Claude CodeがCLAUDE.mdを読むのと同じ形で、AGENTS.mdをプロジェクト指示として読み込むModです。前述のとおり、Claude Code 2.1.277のAGENTS.mdサポートは、このModで実現されています。

instructionFilesオプションで、読み込み方を4つのモードから選べます。

モード動作
claude-mdCLAUDE.mdのみを読む(Modは実質無効)
claude-md-or-agents-md(デフォルト)プロジェクトにCLAUDE.mdがなければ、AGENTS.mdにフォールバックする
claude-md-and-agents-md両方を読む
managed-only組織管理の指示ファイルのみを使う

組み込みのModなので、/configの「Project instructions」から切り替えられます。手で書く場合は、pluginConfigsに設定します。

{
  "pluginConfigs": {
    "agents-md@builtin": {
      "options": { "instructionFiles": "claude-md-and-agents-md" }
    }
  }
}

READMEによると、中心はprompt.contextへのフックです。エンジンが読み込んだ指示ファイルの一覧を受け取り、$.fs.ancestorsで見つけたAGENTS.mdを、プロジェクトの指示ファイルとして足して返します。サブディレクトリのAGENTS.mdは、tool.call(Read)で動的に添付しています。ハーネスの標準的な挙動を、イベントへのフックだけで差し替えている例です。

sec-default:組織のポリシーを守る

sec-defaultは、組織のクラシックなhooks、プロンプトの内容、管理設定、ツールポリシーを、ユーザーがインストールしたプラグインから守るModです。自分では新しいポリシーを足さず、「触れさせない」ことだけを担います。

managedな端末やTeam/Enterpriseの組織では、最も外側のprependに座ります。仕組みは、前章の「5層のチェーン構造と権限」で説明したとおりです。

公式ブログは、チームでの使い道として次の3つを挙げています。

Modはプラグインに入れて配るため、既存のプラグイン管理がそのまま効きます。管理者は、marketplaceの許可・ブロックを管理コンソールから設定できます。

terminal-browser:ターミナル内でブラウザを開く

v2.1.278 時点において、Claude Codeの特殊文字列バグが発生しているため正常に動作しないことを確認

terminal-browserは、Kitty graphics protocolを使い、Claude Codeの分割ペインの中に実際のブラウザを表示するコミュニティ製のModです。/browserコマンドで起動できます(Ghostty、Kitty、libghosttyベースのターミナルに対応)。

READMEには、他のプラグインからブラウザを開く例として、次のコードが載っています。

on("command.run", { command: "tldraw" }, async $ => {
  const result = await $.browser.open({ url: "https://www.tldraw.com/" });
});

command.runで独自のスラッシュコマンドを受け取り、$.browser.open()でブラウザを開く流れです。open()とclose()は、このModが他のプラグイン向けに提供しているAPIです。

共通しているのは「標準機能と同じ土俵」

diffやagents-mdのような公式の標準機能も、terminal-browserのようなコミュニティ製Modも、同じregisterとイベントへのフックで作られています。「画面を描く」「指示の読み込み方を変える」「組織のルールを守る」「ブラウザを埋め込む」と、方向性はばらばらでも、書き方は変わりません。

実践:自分のModを作って配る(turn-counter)

ここからは、自分でModを作ります。題材は、セッションのターン数をプロンプト欄の上に表示する小さなMod「turn-counter」です。状態管理から始めて、型定義の確認、検証、テスト、配布の順に進めます。この章のコードは、すべてClaude Code 2.1.287で動作を確認しています。

my-mods/
├── .claude-plugin/
│   └── marketplace.json
└── turn-counter/
    ├── .claude-plugin/
    │   └── plugin.json
    ├── hooks/
    │   ├── hooks.json
    │   └── register.mjs
    ├── types/
    │   └── index.d.ts
    └── tests/
        └── turn-counter.test.ts

状態は$.stateに置く

まず、ターン数をどこに持つかを決めます。

Modのファイルを保存すると、ホットリロードでregister()が実行し直されます。このとき、モジュール変数は初期値に戻ります。カウンタをモジュール変数に持つ書き方では、保存のたびに値が消えてしまいます。

$.stateは、この問題を解決します。値をModのファイルではなくホスト側に置くので、ホットリロードのあとも値が残ります。

// ホスト側に置く値。このファイルがホットリロードされても消えない
const turns = { plugin: "turn-counter", key: "turns" }

export function register(on) {
  on("turn.complete", async ($, e, next) => {
    const r = await next(e)
    if (!e.agentId) {                       // サブエージェントのターンは数えない
      const { value = 0 } = await $.state.get(turns)
      await $.state.set(turns, value + 1)
    }
    return r
  })

  on("ui.render", { component: "AbovePrompt" }, async ($, e, next) => {
    const { value = 0 } = await $.state.get(turns) // 描画中のgetが、再描画の購読になる
    if (value === 0) return next(e)
    const { Text } = $.ui.resolve(e)
    return Text({ dimColor: true, children: `このセッション ${value} ターン目` })
  })
}hooks/register.mjs

ui.renderの中で$.state.getを呼ぶと、その描画が値を購読します。あとで値が$.state.setで書き換わると、その描画は自動で描き直されます。再描画が自動になるので、$.ui.invalidate('ui.render')を呼ぶ必要はありません。

プロンプト欄の上の帯(AbovePrompt)は、すべてのModで共有しています。ツリーを返すと、自分より内側のModが描いた内容を置き換えます。残したいときは、await next(e)の結果をBoxの子に入れます。

どのModも値を読めますが、書けるのは持ち主のModだけです。また、ui.renderの描画中には$.state.setを呼べません。書き込みは、ほかのイベントやボタンのonPressから行います。

$.stateの値は、型の「契約」として宣言する必要があります。契約ファイルの場所は、plugin.jsonのtypesで指定します。

{
  "name": "turn-counter",
  "version": "0.1.0",
  "description": "ターン数をプロンプト欄の上に表示する",
  "author": { "name": "nogu" },
  "types": "./types/index.d.ts"
}.claude-plugin/plugin.json
export type TurnCount = number

declare module "claude-code" {
  interface PluginState {
    "turn-counter": { turns: TurnCount }
  }
}types/index.d.ts
{
  "modules": ["./register.mjs"]
}hooks/hooks.json

契約ファイルに書けるのは、export typeとexport interfaceだけです。私は最初、モジュール扱いにするためにexport {}を置いて、claude plugin validateにエラーで止められました。宣言していないキーを$.stateで使った場合も、同じくエラーになります。

$.storeとの使い分けは、次のとおりです。

$.state$.store
寿命セッションの間(/clear、/resume、/branchで初期値に戻る)セッションをまたいで永続化(マシン上の全セッションで共有)
ホットリロード残る残る
再描画描画中のgetが自動で購読するしない
型の宣言PluginStateに必要不要

画面に出す値は$.state、次回の起動でも使いたい値は$.storeと覚えておけば十分です。

起動して、型定義を確認する

ファイルがそろったので、my-mods/の中で起動します。

claude --plugin-dir ./turn-counter

1回やり取りすると、プロンプト欄の上に「このセッション 1 ターン目」と表示されます。

次に、起動したままregister.mjsの「このセッション」を「ここまで」に書き換えて保存します。トランスクリプトにturn-counter: reloaded (2 hooks: turn.complete, ui.render)と出て、表示が「ここまで 1 ターン目」に変わります。コードは入れ替わりましたが、数字は$.stateにあるので消えていません。

表示が出ないときは、起動したフォルダを信頼しているかを確認します。信頼していないフォルダでは、Modはエラーも出さずに読み込まれません。読み込まれたかどうかは、/pluginを開くと1 mod active · turn-counterのように表示されます。詳しく調べるときは、claude --debug-file debug.logで起動し、ログにhooks module turn-counter@inline loadedと出ているかで判断できます。

Claude Codeは、Modを読み込むたびに、そのModの.claude-plugin/types/へ型定義を書き出します。起動したあとには、次のファイルができています。

turn-counter/
├── .claude-plugin/
│   └── types/
│       ├── .gitignore
│       ├── tsconfig.json
│       ├── claude-code/index.d.ts        # イベントと$の型(約570KB)
│       ├── claude-code-tools/index.d.ts  # 組み込みツールの入出力の型
│       └── claude-code-mcp/index.d.ts
└── tsconfig.json

claude-code/index.d.tsの1行目には、書き出したClaude Codeのバージョンが入ります。バージョンが上がれば、次の読み込みで自動的に書き直されます。手元のバージョンの仕様は、このファイルが正です。$の使い方やイベントの引数に迷ったら、まずここを検索します。

claude plugin validateで検証する

claude plugin validateは、Modのソースを静的に読んで検証します。報告されるのは、どのイベントにフックし、$の何を呼び、どの状態を読み書きするかの一覧です。

$ claude plugin validate ./turn-counter
  ❯ types ./types/index.d.ts declares state: turn-counter.turns
  ❯ ./register.mjs hooks: turn.complete, ui.render{component=AbovePrompt}
  ❯ ./register.mjs calls: $.state.get, $.state.set, $.ui.resolve
  ❯ ./register.mjs state writes: turn-counter.turns
  ❯ ./register.mjs state reads: turn-counter.turns
✔ Validation passed

Modが何に触るのかを、セッションで読み込む前に一覧できます。他人のModを入れる前の確認にも使えます。

claude plugin testでテストする

claude plugin testは、Modを本物のClaude Codeのランタイムに読み込んでテストします。テストは、名前が.test.tsで終わるファイルに書きます(ここではtests/に置きます)。claude-code/testingからtestとexpectを読み込みます。

import { expect, test } from "claude-code/testing"

test("ターンが終わるたびに表示が増える", async ($, on) => {
  // ここで登録したフックはModの内側で動き、Claude Code本体の答えを代行する
  on("turn.complete", () => ({ text: "" }))

  await $.turn.complete({ reason: "answer", answer: "ok", durationMs: 1 } as any)
  const ui = await $.ui.mount({
    plugin: "turn-counter",
    surface: "terminal",
    component: "AbovePrompt",
    props: { hasSurvey: false, isWorking: false, maxRows: 10, bodyColumns: 120 },
  } as any)
  expect(await ui.find({ type: "Text", text: /1 ターン目/ })).toBeDefined()

  // $.ui.invalidateを呼ばなくても、$.state.setだけで描き直される
  await $.turn.complete({ reason: "answer", answer: "ok", durationMs: 1 } as any)
  expect(await ui.find({ type: "Text", text: /2 ターン目/ })).toBeDefined()

  await ui.unmount()
})tests/turn-counter.test.ts
$ claude plugin test ./turn-counter

tests/turn-counter.test.ts:
(pass) ターンが終わるたびに表示が増える [30.81ms]

 1 pass
 0 fail

テストの中の$は、エンジン側の$です。$.turn.complete(...)でイベントを起こし、$.ui.mount(...)でModに描画させ、返ってきたuiから要素を探します。ボタンを押すui.pressや、入力するui.inputもあります。

テスト内でon(...)に登録したフックは、Modより内側(coreの位置)で動きます。このフックは、Claude Code本体の代わりに答えを返すスタブです。

Modがnext(e)を呼ぶイベントには、テスト内に答えるスタブが必要です。私は最初、ターン数が0のまま$.ui.mountを呼びました。Modはターン数が0のときnext(e)を呼ぶため、ui.renderに答える相手がおらず、no implementation for ui.renderで失敗しました。上の例では、先に1ターン進めてから描画しています。

marketplaceで配布する

Modはプラグインの一部なので、配布にもプラグインと同じ仕組みを使います。リポジトリのルートに、marketplaceのマニフェストを置きます。

{
  "name": "my-mods",
  "description": "noguの自作Mod置き場",
  "owner": { "name": "nogu" },
  "plugins": [{ "name": "turn-counter", "source": "./turn-counter" }]
}.claude-plugin/marketplace.json

リポジトリのルートでclaude plugin validate .を実行すると、このマニフェストを検証できます。Mod本体のフックや状態まで確認するときは、claude plugin validate ./turn-counterのようにプラグインのフォルダを指定します。

GitHubに公開したあと、使う側は次の3つのコマンドで導入します。

/plugin marketplace add <owner>/<repo>
/plugin install turn-counter@my-mods
/reload-plugins

さらに広く配りたい場合は、Claude directoryに提出できます。公式ブログによると、Modを含むプラグインはClaude directoryかCLIの/pluginから導入できます。

この節では、マニフェストの検証までを手元で確認しました。導入の3コマンドは、公式ガイドの記載です。

ターミナルとデスクトップアプリの両方で動く

Modは、ターミナルとデスクトップアプリの両方を対象にできます。

描画の書き方は、どちらでも同じです。ui.renderのイベントにはe.surfaceが入っていて、$.ui.resolve(e)がその画面用のBoxやTextを返します。そのため、同じハンドラがそのまま両方の画面で動きます。画面ごとに出し分けたいときは、e.surfaceで分岐します。

テストでも、$.ui.mountのsurfaceを変えれば、画面ごとの挙動を確認できます。

型定義にはmobileとvscodeもありますが、公式ドキュメントによると、Modの描画が表示されるのはターミナルとデスクトップアプリ(Codeタブ)だけです。VS Code拡張のチャットパネルやclaude -pでは、フックは動きますが、描画は出ません。

ui.renderのcomponentに指定できる場所は、2.1.287時点で次の15種類です。

AskUserQuestion / UserMessage / AssistantMessage / ToolUse / ToolResult
ToolGroup / ToolProgress / CommandOutput / Spinner / TurnDuration
InfoNotice / SessionMode / PromptHint / AbovePrompt / Pane

チートシート

フック、next、5層のチェーン、$の名詞と動詞、イベント、描画、コマンドを、1枚のチートシートにまとめました。Modを書くときの早見表として使ってください。

Claude Mods チートシート

チートシートをフルサイズで開く

APIリファレンス($カタログ)

$の名詞と動詞を、用途別にまとめます。各動詞は、それ自体がイベントでもあり、他のModからフックできます。正確な型は、Modの読み込み時に.claude-plugin/types/へ書き出される型定義が正です。

tool / command / prompt 系

名詞動詞説明
$.tool.callhooksとpermissionsを通してツールを実行する
.listモデルが今使えるツール一覧を取得する
.registerモデルに新しいツールを与える
.checkpermissionの判定だけを問い合わせる(実行もダイアログ表示もしない)
$.command.run/commandを打鍵したのと同様に実行する
.list使えるスラッシュコマンド一覧を取得する
.register/yourcommandを追加する
$.prompt.submitこのプラグインとしてプロンプトをキューに入れる
.fill / .suggestプロンプト欄に書き込む/ターン後に薄字の提案を出す
.readプロンプト欄の下書きとカーソル位置を読む
.composeシステムプロンプトのセクション一覧を得る

ui / fs / state / store 系

名詞動詞説明
$.ui.log / .noticeトランスクリプトへの1行 / ダイアログ下の1行
.toast / .status通知バー / 自分のステータスライン枠
.askエンジンのAskUserQuestionダイアログを出す
.open / .closepane(描画領域)の開閉
.invalidateキャッシュ済みイベント(ui.renderなど)を再実行させる
.resolvee.surface用のelementコンストラクタ一式を得る
.panes自分が開いているpaneの一覧を得る
.scroll / .focus要素が見える位置までスクロールする / フォーカスを移す
.blit自分が描いたRaster / Imageを、再描画なしで塗り替える
.copyクリップボードに書き込む
$.fs.read / .write / .listホストのファイルシステムを操作する(プロセスと同じ到達範囲)
.stat / .exists種類/サイズ/mtimeを見る / 例外を投げずに存在確認する
.ancestorscwdより上位にある指示ファイル(named instruction files)を得る
$.state.get / .setセッション中の名前付きの値。ホットリロードを越えて残り、描画中のgetは再描画を購読する。/clearなどで初期値に戻る
$.store.get / .set / .delete / .keysプラグイン単位で永続化されるJSONを操作する。マシン上の全セッションで共有される

http / process / mcp 系

名詞動詞説明
$.http.fetchホスト経由でfetchする。{ auth }でauthorizeハンドルを消費できる
$.process.runホスト上でargvを実行する(シェルなし)。{ exitCode, stdout, stderr }を受け取る
.spawnコマンドを起動し、出力をストリームで受け取る
$.mcp.call接続済みMCPサーバー上のツールを呼ぶ
.connect自分のマニフェストに書いたMCPサーバーへ接続する

agent / turn / session / model 系

名詞動詞説明
$.agent.spawnサブエージェントを起動し、終了時にresolveする
.listサブエージェント一覧(id, name, parentId, status)
.registerAgentツールが呼べるエージェント種別を、<plugin>:<name>の名前で定義する
$.turn.abort実行中のターンをキャンセルする
$.session.id / .cwd / .repo / .model読み取り:識別子・場所・リポジトリ・使用モデル
.root / .version読み取り:プロジェクトのルート・エンジンのバージョン
.surfaces / .turns読み取り:現在接続中のsurface・これまでのターン数
.messagesトランスクリプト(メッセージ単位)
.usageコンテキストウィンドウの使用率、レート制限、コスト
.compact今すぐcompactを実行する(/compactと同様、session.compactイベントを経由)
.send / .appendほかのエージェントやセッションへメッセージを送る / 会話に行を追加する
.authorize不透明な資格情報ハンドル。http.fetchで消費される
$.model.completeセッションのクライアントで1回completionする
.forkこのトランスクリプト上で、ツールなしのcompletionを行う(キャッシュ共有)
.classifyテキストに対して、自分で用意したラベルから1つ選ばせる

settings / config / env / clock / audio / telemetry / plugin 系

名詞動詞説明
$.settings.read解決済みの設定、または特定ソースのレイヤを読む:{ source: "policy" }
$.config.set / .list/configのメニューと同じ経路で、行を変更する/行の一覧を得る
$.env.get / .set変数名をリテラルで指定して、1つ取得/設定する(validateが読み書き対象を列挙する)
$.clock.now / .sleep / .after / .every時刻とタイマー(キャンセル可)
$.audio.play / .speakクリップの再生 / プラットフォームの音声合成
$.telemetry.log / .markテレメトリの記録(公式のtelemetryModが追加する名詞)。使えるのはClaude Code本体と同梱Modだけで、インストールしたModからの呼び出しは拒否される
$.plugin.name / .root自分が誰で、どこにいるか

全イベント(カテゴリ別)

2.1.287の型定義にある43個のイベントを、カテゴリ別にまとめます。on()には、表の名前をそのまま書きます。

凡例:◆ = coreに副作用あり(nextを呼ばなければ発生せず、2回呼べば2回発生する)/◇ = coreに副作用なし

prompt.edit、prompt.section、prompt.compose、prompt.attachment、session.append、session.send、session.measure、session.end、ui.select、ui.scroll、ui.focus、attribution.text、telemetry.log、telemetry.markの◆/◇は、公式の表記がありません。型定義の説明文をもとに、私が判断しています。

ツール・コマンド系(tool.* / command.*)

イベント説明
◆tool.calle = { tool, tool_use_id, agentId?, ...input } → 結果 | { deny }
◇tool.describeモデルに伝えられるツールの説明。e.provider=提供元
◇tool.checkpermissionの判定 → { decision }
◆command.run/name args → { text }
◇command.describeコマンドの一覧表示内容。e.provider

プロンプト・ターン・セッション系(prompt.* / turn.* / session.* / agent.*)

イベント説明
◆prompt.submit送信されたプロンプト(ターン開始前)。next({ ...e, text })で書き換え、{ drop }で送信を止められる → { text, context[] }
◆prompt.fill / prompt.suggest欄への書き込み / ターン後の薄字提案。書き換え・拒否可
◇prompt.context会話の最初のユーザーメッセージに載るcontextブロック。会話ごとに1回 → { blocks }
◆prompt.edit入力欄が編集・貼り付けされた。戻り値のdecorationsで、入力中の文字に色や太字を付けられる
◇prompt.sectionシステムプロンプトのセクション1つを組み立てるとき → { text }
◇prompt.composeシステムプロンプト全体を組み立てるとき → { sections }。セクションの追加・差し替え・並べ替え・削除ができる
◇prompt.attachmentエンジンがモデル向けに自動で差し込むメッセージ(リマインダー、メンションされたファイルなど)。{ text: null }で外せる
◇turn.start{ turnId, text }・ターン開始前
◆turn.stepモデルへの1リクエスト(ストリーミング)。async function*で書き、yield* next({ ...e, model, effort })
◇turn.complete{ text }・usage・ターン終了後
◇session.start{ cwd, ... }・Modごとに、最初のプロンプトの前に1回。そのModがリロードされるたびにもう1回(/clearの後には来ない)
◇session.receive受信データがcontextに入る前 → { text } | { consumed }
◆session.compact{ trigger, instructions?, messages } → { messages } | { skip }
◇session.attach / session.detachsurface(デスクトップ・スマホ)の接続/切断:{ surface, clientId }
◆session.append会話に行が保存される前。内容を書き換えられる
◆session.sendほかのエージェントやセッションへメッセージを送る前。書き換え・宛先変更・拒否ができる
◇session.measureコンテキスト使用率やレート制限が動いたときの通知。ポーリングせずに監視できる
◆session.endセッション終了時と、/clear・/resume・/branchの実行時。e.reasonで理由がわかる
◆agent.spawn{ prompt, model, provider, parentAgentId?, ... } → { model } | { deny }
◇agent.offerモデルに提示されるエージェント種別

UI描画系(ui.*)

イベント説明
◇ui.render{ surface, component, props } → elementツリー
◆ui.press / ui.input自分が描いたButton/Inputが使われた
◆ui.select自分が描いたSelectから選ばれた
◆ui.scroll / ui.focuspaneやプロンプト上の帯がスクロールされる前 / フォーカスが動く前
◆ui.message自分のClient surfaceモジュールが投稿したデータ
◇ui.resolveあるsurface用のelementテーブル

設定・組織・プラグイン系(config.* / plugin.register / classic.* など)

イベント説明
◆config.set/config行の変更:{ key, value, previous, provider } → { value } | { deny }
◇config.describeメニュー上の行の表示。ラベル変更や非表示化
◇skill.promptスキルのテキストがロードされる際
◇attribution.textコミットやPRに付ける文言を、エンジンが組み立てるとき → { text }
◆telemetry.logテレメトリの記録が送られる前。記録の中身を書き換えられる。インストールしたModでフックするには、{ to: "collector" }のマッチャーが必要
◇telemetry.mark機能が1回使われたことの記録。エンジン自体は何もせず、公式のModが拾う
◇engine.create$のfold自体:名詞の追加・除去
◇plugin.register導入審査:{ name, tier, uses[] } → 許可 | 拒否
◆classic.*従来のsettingsフックと同一のJSON入出力。シェルhooksがそのseamのcore
◆*上記すべてのイベント(telemetryを除く)、および全$操作(fs.read、http.fetch、store.setなど)を、自分の位置・同じ権限で書き換え・拒否・next.toできる

自分で作るには

  1. .claude-plugin/plugin.json と hooks/hooks.json を用意
  2. hooks/register.ts に export const register: Register = on => { on('イベント名', ($, e, next) => {...}) } を書く
  3. claude --plugin-dir . で一度起動し、.claude-plugin/types/ に書き出された型定義で仕様を確認
  4. 状態を持つなら、types/index.d.ts に PluginState を宣言し、plugin.json の types で指す
  5. claude plugin validate . でフック登録と状態の読み書きを検証
  6. tests/ にテストを書き、claude plugin test . で実行
  7. 保存すると実行中セッションにホットリロードされる
  8. 配るときは marketplace.json を置き、GitHubに公開する

まとめ

Claude Modsは、「外部プロセスを挟まずにClaude Code自身を拡張したい」という問題を解決する仕組みです。

従来のhooksでも「イベントに反応して何かする」ことはできましたが、できることはテキストの入出力と可否判定までに限られていました。Claude Modsは、TypeScriptの関数としてエンジンに直接ロードされることで、画面描画・状態管理・ツール登録まで踏み込めるようになりました。Claude Code自身の/diffやテレメトリ機能がModとして実装されているのは、その象徴だと思います。

このことからも、Claude Modsは、Claude Codeハーネス自体をかなり深くカスタマイズすることができる機能であり、かなり将来性の高い機能であると言えます。

覚えることは、registerと($, e, next)という1つの形だけです。その形のまま、$.stateで状態を持ち、claude plugin testでテストし、marketplaceで配るところまで進めます。

まずはclaude --plugin-dirで小さなModを1つ動かし、書き出された型定義を眺めてみてください。


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参考リンク


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